アラン島

本屋さんでku:nelを立ち読みをしたらアラン島がのってた。
遠いから行けないとは思うけど、いつかテレビで見たこの島を見てみたいな。スペインでも、ローマでもなく美術館はおろかホテルもない地の果て。そんな淋しい場所なのに私は行ってみたい。

アラン島はアイルランドの西側、腹辺りに位置するゴールウェイ湾の沖三島からなる諸島。石灰質の岩盤でできた島。風がびょうびょうと烈しい最果ての島,ここを過ぎれば人はいない。

土というものが無いのだ。
飢餓をジャガイモでで凌いできたこの地の人は、土から作った。信じられないことに、一握りづつを。私がTVで見たときも、老人ではないけれど若くは無い男が川砂をかき集めていた。
それは砂と呼ぶにはあまりにざらざらで、砂になりたての岩の砕けた破片だった。
かき集めた僅かな砂を、波打ち際の海藻と混ぜ合わせて一握りの土の元にするのだ。低い気温で活発では無かろうバクテリアが、少しずつ土に替えてくれるのに任せて。

自然の風は岩盤より一層容赦ない、あらゆるものを根こそぎ持っていこうとする。この地は人間を嫌いなのだ。我々が掃除で清めるように、きれいさっぱり吹き消したいのだ。そう見えるほど苛烈な環境。
風から大切な土を守るためには石を積み吹き飛ばされないようにしなくてはならない。
段々畑のような、要塞のような景観。温帯で暮らす者には考え及ぶ事も出来ないこの地への頑なな愛情が見える。人間って理屈じゃない、そのことに慰められる。

ジャガイモの病気がある時はやって、飢餓になった。
アイルランドの人々はこの地を離れアメリカにわたる。映画タイタニックのディカプリオが仲間達とアイリッシュダンスを踊っていたその時代だ。アイリッシュは頑固で烈しくそしてロマンチックでもあると聞く、本当だろうか。

アランニットといって編み物でもアランは有名だ。
生のままの色で厚く水も風も通さない。
漁で生計を立てる者が多いこの地では、主婦が夫や息子の為にスゥエーターを編む。
家それぞれの模様があるのは
たとえ海で死んで遺体の判別が不可能なまでに痛めつけられても、家に連れて帰られるようにだと言われている。
by donburakon | 2013-10-26 21:29 | 楽しみ | Comments(0)