夢十夜

夢十夜

こんな夢をみた・・で始まる漱石の短編の第一夜は女には優しいものです。
女が百年待ってくれますかと頼りにして死んでいく。
男は約束を守り唐紅の日が昇り降りするのを一つ二つと数えて過ぎる。
ある日女の墓の上にユリの花がするする伸び、つぼみが膨らみ花となって女は帰ってくる。
花から落ちる雫で男に知らせ男は百年の時が過ぎたことに気が付く。
こんなお話です。

「女の瞳の黒い眸のなかに鮮やかに見えた自分の姿がぼうっと崩れてきた。静かな水が動いて映る影を乱したように、流れ出したと思ったら、女の眼がぱちりと閉じた。長い睫の間から涙が頬へ垂れた。もう死んでいた。」

しっとりと露を含んだような文章だからか、ユリの花と書いてあるのにどうしても私の中で蓮のようなイメージに変わってしまうのです。蓮の花は柔らかくて青味がかった葉の上で風に揺れるのです。ユリは茎も花も頑丈でしなしなと揺れたりしない。ラリックのガラスの百合なら漱石のユリっぽいかな。
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私の庭はカラフルな西洋ユリが咲いてます。日向が似合う元気がいいユリです、空を向いて咲くせいか清楚感は薄いです。
球根特売で安かったから買ってみたけどやっぱり鉄砲ユリや日本のユリの方がいいな。カサブランカは西洋の物だけど日本のヤマユリを交配したものです西洋ユリと違って下向きに俯いて咲きます。スーパーの特売で400円でした。
by donburakon | 2013-06-10 21:20 | 本・映画・アート | Comments(0)